
私は高校生の時、歴史という教科がきらいで・・と言うより全く興味がわかず、年号や武将の名前など、覚えることに何の意義も見いだせなかった。だから当然のこと、勉強はしない。それで歴史の試験を白紙回答で出したことがありました。わざと白紙で出したのではなく、本当に一問も分からなかったんです。私は出来事の背景にあるもろもろの事情とか、いろいろな出来事が起こることについては興味があるけど、それがどういう理由でどういうことが起こったかが分かってしまえば、後はそれを誰がしたか、何年に起こったかなど、全く興味がないので自分の中で納得すると試験の答として書かなければならないようなことは全く頭から抜けてしまう。僕の思考回路はそういう風になっているみたいなんです。本当は年号や人物の名前を覚えていると話をするにしても立体的に考えるのにも、とても良いはずなのですが・・。結局は「横着」ってやつですか。
ところが最近フェイスブックなどでも紹介していますが、「戦後史の正体」孫崎享/マゴサキウケル / 著。それからネットで読んだ「日本人が知らないニッポン」。 http://thinker-japan.com/thinkwar.html 歴史に興味がない僕が歴史にはまったのは、以前は聖書にあるイスラエルの歴史。そして今、この「戦後史の正体」の戦後の日本と米国との力関係。それから「日本人が知らないニッポン」からは「世界の諸問題はお金の流れを見れば簡単に見えてくる。世界の諸問題は全てお金の問題。」という視点。僕は政治にも経済にも本当に疎い。お恥ずかしいほど疎い。ただタイコを叩き続けてあっという間に人生の終盤に入ってしまったような男ですから。日本の政治を見ていても、「見えない」んですよ。
話は変わりますが、僕は25才の時にアメリカに一年いたことがあって、シカゴのライブハウスを訪ねたときのこと。かなり大きな店で、入口の方では足の踏み場もないほどの大勢の人が大声で話している。そして一番奥の方まで行くとライブ演奏の様子を見ることができる。80%のひとは聴いていない。だから一番前までいってその演奏を聴いた。フルバンド・・バンドの名前も覚えていない。有名な人がその中にいるのかどうかも分からない。ただそのメンバーはかなりのおじいちゃんばかり。地元の愛好家が集まって楽しんでいるのかな・・といった感じでしたね。そのライブに期待して行ったわけではなかったんです。ところが、音を聴いて僕は固まってしまいました。フルバンドといえば管のアンサンブルが命なわけですが、そのときはそのアンサンブルの音の様子が絵に描くように見えた。「なるほど」ハモってる。ハモる(ハーモニーが出来上がる)って・・こういうことなんだ。これなら「ハモる」の意味が分かるわ。何となく形はあるけど一体何をやっているんだろう・・という今の日本の政治みたいな見え方しかしていなかった僕にとってその衝撃は、ひとつのおおきな納得でもありました。ちゃんとしたものは「よく見える」んだ・・。
それで、話は戻りますが、日本の政治があの本によって見えてきたという話なんです。それなら分かるわ・・。それから世界の紛争、経済、原発その他諸問題。それなら分かるわ・・。今までは「見えていない」ことにさえ気がついていなかった。一応形は見えているから見えていないなんて思いもしない。しかしこんなに分かりやすい話があるとは思ってもいなかった。尤も話を聞くにも注意が必要で反論などもいろいろあろうかと思いますが、とにかく「見える」というのは強いです。
原発問題も見えなかった。国民がどんなに反対しても国や経済界は結果的には全くの無視。原発をやめたら経済にとって大打撃だなどとどうして言えるのか。原発関連でどれだけの税金が使われているか。未だ目処が立っていない再処理施設にだって目が飛び出るほどの金を使い続けているのに。電気料金が上がるとかいう問題をはるかに超えている。それでも推進。財界がその金の流れを知らないわけがないのに・・と、事の核心が見えてこない。しかしそれは原発の問題ではなくて世界を支配する金/財閥の問題だという構図。これは本当に分かりやすいです。60年代の安保闘争の指導部が右翼から資金を得ていたという話など、普通の考えがひっくり返ってしまうようなことがあまりにたくさん。私は世の中の構造の基本に対する認識らしきものに初めて触れたような気がしています。当年62才。
さて、10月のライブ。何となく色々あります。まずは1日(月)、阿川泰子/ビルボードライブ大阪。5日(金)、前田憲男ウインドブレーカーズ/東京日本橋公会堂。雪村いづみさんをゲストにお迎えします。6日(土)、阿川泰子/名古屋ブルーノート。阿川さんのシリーズはあの熱帯ジャズ楽団のリーダー、カルロス菅野さんをボーカルゲストにお迎えしてのライブです。7日(日)、前田憲男ウインドブレーカーズ/お茶の水JAZZ音楽祭。明治大学アカデミーホールにて。他にも国府弘子トリオ、東京打撃団などの皆さんが出演します。13日(土)、塚山エリコ+沖野ゆみvo./沼袋オルガンジャズ倶楽部です。19日(金)、金城寛文5/江東区森下 な〜じゅ。23日(火)、歌声ペトラ/お茶の水OCC。毎月新しい賛美歌を歌うひととき。市原は司会と歌です。26日(金)、鳥取の皆様、お会いしましょう。鳥取JAZZオープニングコンサート。トランペットのエリック・ミヤシロをフロントに迎えて、お馴染み菊池ひみこpf、松本正嗣gt、そして東京からベースに斉藤誠、私となっています。
詳細はホームページ http://i-produce.net 「ライブ」をご覧ください。
10月も皆様のお越しをお待ちしています。