" そこでユダは、カナン人で名をシュアという人の娘を見そめて妻にし、彼女のところに入った。"
創世記 38章2節
ヨセフがエジプトに売られた話の次に、ヨセフよりずっと上の兄であるユダの子孫についての話が38章として挿入されています。
ユダとは、エルサレム12部族のなかでも最も祝福される家系、すなわちダビデ王から、さらにメシヤが出るその家系です。
しかしその最初の人ユダはヤコブやイサクの意向に反して、異邦人であるカナン人の女を妻とするんですね。(2節)
ユダには三人の子、エル、オナン、シェラがいました。
このユダ長男エルは「主の前に悪しき者であった」という理由で、命を絶たれてしまいます。
この時妻であったタマルは未亡人になるわけですが、兄が子を残さずして死んだら、弟が兄の分を果たすというのが当時の風習であり、後のモーセの律法にもそのことが記されています。
しかし次男のオナンは弟の分を果たそうとしなかったことにより、神はこのオナンの命も絶たれてしまいます。
タマルは三男シェラによって子孫を残さなければならないということになるわけですが、この子はまだ幼く、成人するまでは、タマルは「やもめ」のままであることになります。
そこでタマルがしたことが、考えられないようなことでした。
タマルは遊女を装って、ユダによって子を儲けようとしたのです。
結局、タマルの思惑通りになり、このタマルによってユダの王の家系に載るユダの子ペレツが生まれるのです。
この38章には、どぎつい出来事が次から次へと具体的に記されています。
神の計画と人々の愚かさや罪深さが、ここでも同時に、対照的に出てくるというわけです。
すべては、神のあわれみと恵みでしかないことが、ここでも示されているんですね。
ハレルヤ! (主の御名をほめたたえます)